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「好きを仕事に!」こそ腹黒く。発酵デザイナー・小倉ヒラクさんの戦略とは?

「好き」がない人はどうしたらいい?

ーーそのような戦略を踏まえれば、「好きを仕事に」するのは難しくないと思いますか?

いや、すごく難しいことだと思います。だって「好き」って、そう簡単に見つからないですよ。

まず、人間100人いて、自分の好きなものを見つけてそっちに進めるのは20人ぐらいしかいない。残り80人は、「好きってなに?」ってずっと思いながら、「好きなものを探し続ける人」として漂流していくんですよ。

好きなことを仕事にするのが良いことだとか、これから残る人材は好きを仕事にする人だ、みたいな煽りがあるから、残りの80人も、好きなことを無理やり見つけなきゃいけないんじゃないかって強迫観念にかられて、悩んでしまうのが2020年代なのかもしれないなって思います。

——わたし、そうかもです……。

好きなものを見つけなきゃと悩み続けると、こじらせていってしまうから……。好きなものがないならないで、やりようはいくらでもあります。無理やり好きなものを見つけるよりも、早めに見切ったほうがいいと思います。別に好きなものを見つけなくてもいいんだ、自分にはもう見つからないんだ、と「好きなもの探し」を諦めるんです。

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