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精神科医・名越康文先生に聞く、自粛続きの日々に負けないこころの健康の保ち方

「予定していた自分」よりも良い自分になるための考え方

名越 ただ、予定を変更して新しいことをやった時に、「計画通りにできなかったのは私が怠けてるからだ」って自分をバッシングしないでほしいねん。 

社領 ヤバい! 私もそう思ってました。 

名越 やることリストに以前書いていたことよりも、今日の自分を最高の状態にしてくれる素敵なことをやったんだって思わなあかんよ。「もしかしたら、計画してたことをやるよりもずっとテンションあがってるかも?」くらいに思ったほうが絶対良い。これすらできない私はダメなんだって方向に行くのはもったいない。 

社領 なるほど。予定をこなせないのは自分の気持ちが落ち込んでるからだって思ってたんですけど、そうじゃないと。 

名越 うん。それは、はじめから自己評価が低いのもあるよね。私はろくなことできない、立てた予定をこなせない人なんだってどっかで信じてるのかもしれない。 

社領 自分はダメなんだとか、人と会わずには過ごせないんだって思い込んでた気がします……。 

名越 そういうふうに、たった一日とかの短い間からだがだるいだけで、「私は一人で過ごすのが苦手なんだ」みたいに決めつけたら、「一人で過ごせない自分」から逃げられないやん。言葉はものすごい力を持っているから。 

社領 うんうん、たしかに。 

名越 「私はこんな人間なんだ」というのは危ないから避けたほうがいい。もっと言うと、「私はやれる人間だ」も避けてくれていい。それはどっかで自分を脅迫することに繋がるねん。「証明せなあかん」みたいなプレッシャーがかかるからね。ただやれることに取り組んだらええよ。

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