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たった75発の花火。無観客・無告知の「非密の花火大会」はなぜ生まれたのか

思いを伝えるためにはクリエイティブの力が大事

——本田さんは今は東京在住ですけど、どういうタイミングでこの「非密の花火大会」に関わることになったんですか?

石田:あれは忘れもしない5月22日に、馬場さんと飲んでたんです。この企画のことをいろいろと話していて、「クリエイティブな要素がない」っていう話になったんです。

馬場:僕と石田さんは普段事業をやってるので、出資者を募ったりすることは仕事柄何となくできるんですけど、この企画をどう発信したらいいんやろうと石田さんに相談してたら「あ、一人いますわ!」と。

石田:その場で同級生の本田くんにLINEしたんです。最初は「こんな企画やるからアドバイスがほしい」くらいのニュアンスだったんですが、本田くんがすごく前のめりになってくれて。

本田:石田くんからLINEをもらった時、僕もベロベロに飲んでたので、後日あらためて詳しく話すことになったんですが、なんかめっちゃいい話やなと思ったら待ちきれなくなって、すぐに電話しちゃいました(笑)。

——そんな経緯で本田さんが加わったんですね。そこからどうやって考えていったんですか?

馬場:どうやら75発までなら特別な許可なしで花火があげられることがわかりました。最初は彦根だけを考えていたんですが、琵琶湖を一周するようなかたちで打ち上げようと早い段階で決まりましたね。

石田:琵琶湖は滋賀県みんなのものやし、大勢で盛り上がった方がいいんじゃないかと思って。たくさんの方に関わってもらおうとクラウドファンディングのサイトも立ち上げることになりました。

(立ち上げたクラウドファウンディング)

本田:あとはメッセージ性。誰のためにやるんだ、という話になりました。医療従事者のため、子どものため、甲子園がなくなった球児のため……いろんな対象がいるよなぁと。こういう企画ってターゲットを絞って考えますけど、ターゲットはみんなだなと思いました。花火は本来みんなのもんやし、今コロナのなかでみんながきついよなって。

——「非密の花火大会」のネーミングはどうやって考えたんですか?

本田:プロジェクト名を考えてほしいと言われていろんな案を考えていたんですが、この案はミーティングを始める2分前くらいに降りてきたんです。できるだけ花火をいろんな人に届けたいけど、人が集まるリスクは避けたい。この矛盾をどう成立させるかで悩んでました。どこで花火があがるかわからない「秘密」と告知しないことで密を避ける「非密」、聞いたら誰かに話したくなるし、口に出したい感じもあって、これはチャーミングかもと思いました。

馬場:このネーミングを聞いた時に「あ、これはいけるな!」と思いましたね。内緒にせなあかんはずやのに、もう言いたい。これはバズるんちゃうかと。せっかくやるなら、できる限り多くの人に花火を届けたいっていうのもありましたし、人生で1回くらいバズらせたいよなって石田さんとも言ってたんですよ(笑)。

石田:本田くんだけじゃなく、僕らも宿題で1つずつ考えていったんですけど、「頑張ろうニッポン、頑張ろう滋賀」みたいなすぐに思いつくし、どっかで見たことあるような、なんなら花火も関係ないやんみたいな、もう話にならんレベルで(笑)。本田くんのネーミングを見た瞬間すごいなと思いました。これがプロの仕事かと。

本田:何これ、おれが気持ちよくなる場?(笑)

全員:(爆笑)

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