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いつか宇宙人を手のひらに。DIYで科学館を作った、羽村さんのモチベーションのありか

子どもたちの目がキラキラ!理科の修学旅行。

――先ほど、大人向けのサイエンスカフェのお話をうかがいましたが、子ども向けにも何かされているんですか?

人気があるのは理科の修学旅行ですね。今年はコロナの影響で難しかったのですが、例年は四季折々に実施しています。

——理科の修学旅行、面白そうですね!どんな内容なんでしょうか?

冬は雪山へ子どもたちを連れて行きました。雪の結晶って見たことありますか?雪って白く見えますが、結晶自体は透明なんですよ。じゃあ、雪に埋もれて空を見上げたら何色なんだろう、って子どもを雪に埋めるんです。

——雪に、う、埋めるんですか?

仰向けに寝そべったところに、雪をどんどんかけちゃう。初めは嫌がっていた子どもも、最初のひとりが突破できれば、むしろ進んで埋まりたがります(笑)。それからみんなに「空はどんな風に見えた?」って聞くと、それぞれ違った色を答えるんですね。

理科の修学旅行

青く見えることはまずなくて、白っぽかったりグレーだったり、いちばん怖いのは真っ暗。これは大人でも結構怖い。あんまり放置するとメンタルがやられて泣き出す人もいます(笑)。子どもにはやりませんが。

――信頼関係がないと、難しそうですね…(笑)。

なぜ空が青く見えないかというと、雪の結晶は光を散乱させるため、空からの光が雪の中まで届かないんです。ちなみに手加減された人は白っぽく見えるんだけど、そんな話をすると「白かった人やり直しー」と盛り上がります。体験とともに、科学が記憶に深く刻まれてゆく。将来ふとした瞬間に、思い出してくれたら嬉しいなぁと。

――たしかに!教室での学びにはない強烈な体験で、記憶に残りますね。

地域課題だって、科学で解決できる。

——ところで羽村さん、骨も集めていらっしゃるとか?

集めているというか、集まってきたというか…。地域課題の解決に取り組んでいると先ほど話しましたが、骨はその副産物です。獣害ってご存知ですか?千葉の南房総あたりでは、イノシシやキョンがたくさん出て農家さんが困っているんです。当会のメンバーでもある宮本が、この問題に取り組んでいます。


(メンバーの宮本さんとイノシシの骨)

——――千葉県でイノシシがでてるんですか?

(宮本さん)獣害は深刻な問題です。せっかく育てた農作物が被害を受けたり、子どもが怪我をしたりすることもあるため、害獣は駆除されているのですが、駆除された生き物の大半はそのまま廃棄されています。人間の都合で殺された生き物たちの命を少しでも有効活用できないかと考えました。

——――なるほどー。どんな活用方法があるんでしょう?

(宮本さん)科学館での骨の展示に加えて今取り組んでいるのは、レザーへの加工と教材開発です。イノシシやキョンなどの革で小銭入れやリストバンドなどを作るイベントや教材を準備しています。先日、都内の河川敷で鹿が出たのはご存知ですか?「かわいそうだから殺さないで」との声が多くありましたが、そうした声は、獣害への理解不足を示しています。農作物が被害を受ければ、私たち消費者の生活にも影響します。イベントや教材を通じ、そんなことを伝え、考えてもらえたらと思います。

レザー製品

——たしかに、さまざまな視点で考えることが大事なんですね。

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