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自分らしく生きるために、動き続ける。「花暮美容室」を営む菅沼政斗さんがローカルを拠点に美容師をやる理由

動き続けていれば、出会うべくして人と出会う

ーーオープンしてからの一年を振り返ってみていかがですか?

おかげさまで、忙しくも楽しくやれています。やっぱり県外のいろんなところから、いろんなジャンルの人が来てくれるのがうれしいかな。年齢も小さいお子さんから地元のおばあちゃんまで幅広いですが、想像していたよりも若い世代がたくさん来てくれていますね。

自分よりずっと年下の学生や、上の年代の方たちの情報も入れておかないと会話が合わないから、常にインプットして勉強の日々です。ドラマも見るしね(笑)。

ーー世代が幅広いからこそ大変ですね(笑)。出版社プロデュースという形でミネさんと組んでよかったと思うことはありますか?

出版社を運営する彼らはメディアを持っているので、発信がしやすいというのが大きいですね。僕自身は発信力があるタイプではないから、自分がやっていることをミネくんたちに上手く発信してもらうことで、デザインや技術に没頭できる。そのバランスがいいなと思っています。

それに、お店が忙しい時にはミネくんにアシスタントとして手伝ってもらうことも。彼はオーナーアシスタントという珍しい肩書きです(笑)。

ーーコンビネーションばっちりですね! 最後に、花暮美容室として今後の展望を教えてください。

花暮美容室はこの形のまま続けつつ、今後は僕が若い美容師さんたちをプロデュースする側に回ることも考えています。

個人的には、今僕が真鶴町でやっているような活動を、若い世代の美容師たちに繋げていきたいなと。東京には地方出身の美容師がたくさんいるから、月に一度でも地元に帰って、僕のように地域のおばあちゃんと一緒に髪を切るということをぜひやってほしいんですよね。

その際に自分自身も地元でお金を落とすことで、地域に還元される。そういう美容師を増やしていきたいですね。

ーーめちゃくちゃいいですね。自分ができることで地元に還元したいと思っている人はたくさんいそう。

そうそう。実際、真鶴町の出張美容室を始めてからいろんな美容師さんに「素敵な活動ですね」と連絡をもらうんです。

東京で踏ん張っているけれど、なかなか結果が出なくて悩んでる人はぜひ頼ってもらえたらと思いますし、そういう美容師たちのロールモデルみたいな存在になれたらいいなって。東京がすべてじゃないし、東京を知っているからこそローカルでできることがあると思うんですよね。

ーー思いはあるけどどうしたいいかわからずにいる美容師さんにとって、きっとかなり心強いだろうな……。

やっぱり何かやろうとする時に一人では限界があるけど、動き続けていれば出会うべくして人と出会うんですよ。僕がミネくんと出会ったようにね。

だから「もっと楽しく仕事しよう」って言いたいんです。厳しい世界だけど、美容師って楽しい仕事だと思うから。僕は自宅から三崎港まで1時間半かけて通っていますが、毎日が旅なんですよ(笑)。なかなかお休みは取れないけれど、東京で働いていた時よりも楽しいです!

ーーなんだか勇気をもらえました。菅沼さんと花暮美容室のこれからがますます楽しみです!

ありがとうございます! 従来の美容室のイメージへのカウンターの意味も込めて、美容室を軸にした企画やイベントもどんどんやっていきたいですね。「なんかあの人たち面白いことしてるよね」っていうのがちょっとずつ浸透していくといいなって。

それで、一人でも多くこの美容室や三崎の町に遊びに来てくれたらうれしいですね。

編集部のここが「#たしかに」

現在、美容師としてローカルの地で幅広い世代に愛される菅沼さん。

その背景には、東京で積み重ねてきたたしかな技術と、出会った人を信じて飛び込む意志があったのだと強く感じました。

「自分らしい生き方をしたいなら、まずは動き続けること」

菅沼さんのそういったスタンスが出会いを呼び、この花暮美容室の誕生に繋がったと思うと、その言葉の重みがより一層増したように思います。

そんなアクティブな一面を持ちつつも、菅沼さんが纏う空気はどこかゆったり。

お話していると、肩の力がすっと抜けていくような心地の良さを覚えるから不思議です。

「髪を切ることはもっと気軽で、生活の一部にあっていい」という言葉の通り、これからは美容室での時間をもっと自分らしく、素直に楽しみたくなりました。

既存の枠におさまらない企てを続ける菅沼さんと花暮美容室を、これからも応援していきたいなと思います。

菅沼さん、ありがとうございました! 近々またお店に遊びに行きますね。

執筆:むらやまあき 写真提供(一部):ミネシンゴ(アタシ社)
取材・編集:#たしかに編集部

店舗情報

花暮美容室
所在地:神奈川県三浦市三崎3丁目3−6
( 京浜急行電鉄 三崎口駅⇒三崎港バス停 徒歩30秒)

お問合せ:050-3561-9022

営業時間:10:00-19:30 (最終カット受付18:30)

定休日:毎週月・第2、4火

お支払い方法:現金、VISA、MASTER

ホームページ:花暮美容室 HotPepperBeauty

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