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「日常に寄り添うおにぎりを」天職のライターを離れ自分のお店を持った杉江さんの話

子育てで学んだ「食べることが大切」ということ

ーーこの時期に実店舗を構えることは勇気がいることだったのではないかと思います。

そうですね。気軽に集まったり外食できなかったりする状態はまだ当面続きそうですもんね。

実は店舗を立ち上げる少し前に、知り合いのお店を間借りしておにぎりを販売していた時期があったのですが、こんな時にもかかわらずたくさんの方が買いに来てくださったんです。

実際自粛生活で家にいる中、毎食つくり続けるのって大変ですよね。その時、みんな誰かのつくったごはんが食べたいんだなと感じましたし、私も誰かの息抜きごはんをつくりたい思いました。

どんな状況であれ、生きていく中で「食べる」ということが一番を大切だと思ったんですよね。

ーー食べることが一番大切?

これは、自分が子育てを始めてから思い続けていることです。私、子どもが1歳の時から保育園に預けて仕事をしていたので、学校行事の参加や習い事の送り迎えが十分にできないことも多くて、どこか子どもに後ろめたさを感じながら働いていたんですね。

そんな時に取材させてもらった料理研究家が育児と仕事をバリバリされている方で、「子育てで大事にしてるのは子どもにごはんをつくり続けることだ」と仰っていたんです。

「全部手づくりじゃなくても大丈夫。買ってきて温めたものを出すことだって一つの価値なんだから」と言われたことで心がとても楽になって。

たくさん手間をかけたものではないけど、とにかくごはんだけは食べよう、食べさせよう。そう思うことで子育てへの苦手意識はだんだんと消えていきました。

「楽しく美味しいものを見つけていきたい」と思っている今の活動の原点でもあるかもしれません。

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