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精神科医・名越康文先生に聞く、自粛続きの日々に負けないこころの健康の保ち方

いつかまた来るかもしれない外出自粛に備えて、「自分には価値がある」と思おう

社領 自粛中、気が付くと暗いニュースを読んで気持ちが沈む、なんてことを繰り返してしまう人がいたと聞きました。また同じような状態にならないためには、何に気を付ければいいでしょうか? 

名越 まずは情報を読んだ後、しばらく置いておくことやね。それに、「発信者が感情的になってる情報」に関してはなるべく読まないことが大事。個人的に僕は、誰であろうと個人の経験談はなるべく読まないようにしていました。それを普遍化してしまうととても危険やから。 

社領 感情的な情報に限ってめちゃくちゃ拡散されていたりしますよね。私もそういうのでパニックになって、自分の気持ちが悪い方向に行ってたこと、あった気がする……。 

名越 感情的な情報を読んで落ち込みがちな人は、自分がそういう刺激の強いものを求めてしまう性分なんだってことを根本で理解しておく必要があるね。野次馬根性があるなとか、人の感情に弱いなとか、そういうところに気付くこと。自分の性分に振り回されないよう今のうちに鍛えておかないと、第二波の時に必ず同じパニックに陥ってしまうと思います。 

社領 陥りたくないです……! どうしたらいいですか? 

名越 自分はもっと価値ある人間だと思ってほしいね。自分には価値があって、ニュースひとつでずっと落ち込んでいるような人間じゃないと、まずは自分に言い聞かせてください。 

社領 最近自己肯定感落ち気味だったから泣きそうです先生……! 

名越 自分は選ぶ側の人間なんやと思って、情報を目の前にしたときにちゃんとそれを「読まない」って選択もできるようにならないと。不安を煽るような記事をどうしても読んじゃうって、つまり自分で情報を選べてないからね。受動的になって不安から読まされてるわけだから。 

社領 選んで読んでるつもりだったのに、たしかに全く選べてないですね。 

名越 あとは感情的な文章とかは、声に出して読んだりすると意外と「ここなんか変なこと言ってるやん」って笑えたりします。 

社領 鵜呑みにして真に受けるんじゃなくて、自分なりの視点で読む、とかでしょうか。 

名越 批判的に読んでいいと思います。あとは、自分の価値を認めて、自分の軸をしっかり持って、地に足をつけて1日1日過ごしていけば大丈夫です。自分が本当に何をしたいのか考えて、毎日ワクワクしながら自分を堪能できるとええね。あとは早寝早起き運動な。 

社領 ほんまに泣きそう……。今回名越先生にお話聞けて良かったです! ありがとうございました!

 

編集部のここが「#たしかに」

「私はきっと予定をこなせないんだ」「私は一人で過ごすのが苦手なんだ」と自分をあらかじめ決めつけている、と聞いて「たしかに……!」と思いました。「計画よりも今日やりたいことをやる!私はせっかくの一人時間を自由に生きるんだ!」と状況を明るく捉えることで、ストレスのたまりやすい外出自粛の生活でも、毎日を楽しく過ごせそうです。 

もしかしたら来てしまうかもしれない再びの外出自粛に備え、早起き早起き運動を頑張っていきましょう!

社領さん、名越さん、ありがとうございました!

 

社領エミさんTwitterhttps://twitter.com/emicha4649

精神科医・名越康文の研究室http://nakoshiyasufumi.net/

 

取材:社領エミ 執筆:矢野千愛 編集:#たしかに編集部

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